ドバイでレストラン・飲食業を
開業する完全ガイド【2026年最新】
ライセンス取得から物件選定、運営開始まで。日系飲食企業のドバイ進出に必要なすべてを、2026年の最新制度に基づいて解説します。
ドバイF&B市場の現状
市場規模と成長率
UAE(アラブ首長国連邦)のフードサービス市場は2026年時点で約272.8億米ドル規模に達し、2031年まで年平均成長率(CAGR)17.55%で成長を続け、612.1億米ドルに達すると予測されています。ドバイはUAE最大の飲食市場であり、観光・ビジネスの両面でF&B需要を牽引しています。
特に注目すべきは、クイックサービスレストラン(QSR)セグメントがCAGR 19.55%、デリバリーセグメントがCAGR 18.65%で拡大している点です。ドバイの新興エリア(City Walk、Dubai Hills、Dubai Creek Harbourなど)の開発も市場成長を後押ししています。
ドバイでは日本食レストランの出店が加速しており、寿司・ラーメン・焼肉を中心に、高級和食から回転寿司チェーンまで幅広い業態が支持されています。観光客・富裕層・在住日本人の需要に加え、現地アラブ系・インド系住民の間でも日本食の人気が高まっています。
主要な市場指標
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| UAEフードサービス市場規模(2026年) | 約272.8億米ドル |
| 2031年予測 | 約612.1億米ドル |
| 年平均成長率(CAGR) | 17.55% |
| QSRセグメント成長率 | CAGR 19.55% |
| デリバリーセグメント成長率 | CAGR 18.65% |
| 稼働中クラウドキッチン数(ドバイ) | 200〜250施設 |
レストラン開業の3つのステップ
ドバイでのレストラン開業は、大きく分けて3つのフェーズで進行します。2026年現在、DET(Department of Economy and Tourism)のデジタル化により手続きは効率化されていますが、ドバイ市役所(Dubai Municipality)の食品安全基準との二重審査は引き続き必要です。
DETライセンス取得まで約3〜6週間。食品安全承認は物件の状態によりさらに2〜4週間が必要です。合計で約3〜8ヶ月程度を見込んでください。
Ejari登録は必須であり、電気・水道の接続、従業員ビザの申請、商業ライセンスの最終発行に必要です。未登録の場合、事業運営に重大な支障をきたします。
必要なライセンス・許可の一覧
ドバイでレストランを運営するには、複数の当局からライセンスと許可を取得する必要があります。以下は主要なライセンスの比較表です。
| ライセンス・許可 | 発行機関 | 費用目安 | 更新 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 商業ライセンス(Trade License) | DET(旧DED) | AED 10,000〜15,000 | 年次 | 事業の法的基盤。FZ: AED 15,000〜30,000 |
| 食品取扱許可(Food Permit) | Dubai Municipality | AED 2,000〜10,000 | 年次 | キッチン設計審査・衛生検査を含む |
| 消防安全NOC | Dubai Civil Defense | AED 1,000〜5,000 | 年次 | 内装工事前に取得が必要 |
| 酒類ライセンス(Type C) | DTCM / Dubai Police | AED 30,000〜100,000+ | 年次 | 該当ゾーンのみ。30%市税復活(2025/1〜) |
| 看板許可(Signage Permit) | Dubai Municipality | AED 1,000〜5,000 | 年次 | サイズ・デザイン・設置場所の事前承認 |
| 音楽・エンタメ許可 | DTCM | AED 5,000〜20,000 | 年次 | ライブ音楽・DJ・エンターテインメント提供時 |
| 食品取扱者証(Food Handler Card) | Dubai Municipality | AED 100〜300/人 | 年次 | 調理・配膳スタッフ全員が取得義務 |
| Ejari登録 | Dubai Land Dept. | AED 155〜220 | 契約時 | 賃貸契約の公式登録。必須 |
フリーゾーン(DMCC、JAFZA等)での設立は手続きが簡易ですが、ドバイ市内での直接営業には追加の許可が必要です。飲食店は立地が重要なため、多くの場合メインランドでの設立が推奨されます。
設立コスト(2026年版)
ドバイでのレストラン開業にかかる主要コストをカテゴリー別にまとめました。規模・立地・業態によって大きく変動するため、目安としてご参照ください。
| 費用項目 | 金額(AED) | 日本円目安 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 商業ライセンス(DET) | 15,000〜50,000 | 約60万〜200万円 | 業態・FZ/メインランドにより変動 |
| 食品許可・安全認証 | 5,000〜15,000 | 約20万〜60万円 | DM + Civil Defense |
| 物件デポジット | 月額賃料の2〜3ヶ月分 | ― | 年間賃料AED 100k〜500k+ |
| 年間賃料(物件) | 100,000〜500,000+ | 約400万〜2,000万円+ | Downtown・JBR等はさらに高額 |
| 内装工事 | 200,000〜2,000,000 | 約800万〜8,000万円 | カフェ〜本格レストラン |
| スタッフビザ | 3,000〜5,000/人 | 約12万〜20万円/人 | 健康診断・Emirates ID・労働許可含む |
| HACCP認証 | 約10,000 | 約40万円 | 食品安全管理システム認証 |
| 酒類ライセンス(該当時) | 30,000〜100,000+ | 約120万〜400万円+ | Type Cライセンス |
| 合計(小規模カフェ) | 120,000〜250,000 | 約480万〜1,000万円 | ライセンス+内装+初期運転資金 |
| 合計(本格レストラン) | 500,000〜3,000,000+ | 約2,000万〜1.2億円+ | 高級立地・フル内装・酒類提供 |
為替レート参考:1 AED ≈ 約40円(2026年3月時点目安)。実際のレートは変動するため、最新レートをご確認ください。
【2026年最新】制度変更と市場トレンド
DED → DETへの移行
旧DED(Department of Economic Development)は、DET(Department of Economy and Tourism)に再編されました。商業ライセンスの申請・更新はDETポータルに一本化され、観光関連のライセンス(酒類・エンターテインメント等)との連携が強化されています。
デリバリーキッチン(ダークキッチン)の拡大
専用の「ゴーストキッチンライセンス」は設けられていませんが、DETの通常ライセンスとドバイ市役所の食品許可で合法的に運営が可能です。ライセンス費用はAED 16,000〜25,000程度で、実店舗型より低コストです。Talabatのクラウドキッチン注文は前年比400%増を記録し、ドバイ市内には約200〜250のクラウドキッチンが稼働しています。
2025年9月には、DCCPFT(ドバイ消費者保護公正取引局)がデリバリープラットフォームに対する新ガイドライン(Circular No. 2 of 2025)を導入し、手数料の透明化と反競争的行為の禁止を義務化しました。
フードトラックライセンスの簡素化
フードトラック事業は、DET、ドバイ市役所、RTA(道路交通局)、DEWAの4機関の承認が必要ですが、手続きの電子化により2〜4週間で取得可能です。ただし、車内での直接調理は禁止されており、セントラルキッチンでの調理が義務付けられています。ライセンス費用は商業用でAED 13,000〜19,000程度です。
酒類規制の変更
2025年1月より、酒類販売に対する30%の市税が2年間の停止期間を経て再導入されました。レストランでの酒類提供にはDTCM発行のType Cライセンスが必要で、承認されたゾーンでの営業が条件です。
健康保険の義務化
UAEでは全雇用者に従業員の健康保険加入が義務付けられています。飲食業では多数のスタッフを雇用するため、保険コストは運営費用の重要な要素です。従業員1名あたり年間AED 1,000〜5,000程度の保険料が目安となります。
日系飲食企業が注意すべき5つのポイント
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1
ハラール認証と食材調達 — UAE(ドバイを含む)で提供する肉類はハラール認証が必須です。日本から食材を輸入する場合、ESMAのハラール認証が必要です。和牛・海産物等の輸入には別途輸入許可と冷蔵・冷凍流通体制の整備が求められます。
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2
100%外資所有の活用 — 2020年の法改正により、メインランドのF&Bカテゴリーでも外国人の100%所有が認められています。ただし、酒類ライセンスやフランチャイズ契約では現地パートナーの関与が有利な場合があります。
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3
Emiratisation(現地雇用義務)への対応 — UAE政府はEmiratis(UAE国籍者)の民間セクター雇用を推進しており、一定規模以上の企業にはUAE国籍者の雇用割合が義務付けられています。
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4
デリバリープラットフォーム戦略 — Talabat、Deliveroo、Noon Foodの手数料は注文額の15%〜35%と幅があります。自社デリバリーとの併用やプラットフォーム交渉、クラウドキッチンとの併用が重要です。
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5
季節性と文化的配慮 — ラマダン期間中(約1ヶ月)は日中の飲食営業が制限されますが、イフタール・スフールメニューは大きなビジネスチャンスです。夏季は客足が減少し、冬季は需要が急増します。
よくある質問
ドバイのF&B市場は年率17%超で成長を続けており、日系飲食企業にとって大きな機会です。開業にはDETの商業ライセンス、ドバイ市役所の食品許可、消防安全NOCが最低限必要で、小規模カフェならAED 120,000〜250,000程度から開業可能です。2026年はDET移行、ダークキッチンの拡大、フードトラックの簡素化など制度面の進化も著しく、参入障壁は低下傾向にあります。一方、ハラール認証、Emiratisation、季節性への対応は日系企業が見落としがちなポイントです。Biz Easyでは、ライセンス取得から物件選定、スタッフ雇用、運営開始まで一気通貫で支援しています。
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